境界のRINNE 5 / 高橋留美子

境界のRINNE 5 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 5 (少年サンデーコミックス)

ブコメ的に盛り上がってきている……ような気もする第5巻。
相変わらず全編通じて突っ込みどころ満載でお届けしているのに、作中のキャクターたちはそこのところは全スルーで話が進んでいくので、読者としては凄くシュールな感じを受けます。でも、その斜め方向への外しっぷりがこの作品の面白いところ。読んでいて心のなかで何度「なんでやねん」と呟いたことか! 的な楽しさがありました。流れ的にはシリアスになりそうな話でも、絶妙にツボを外してきて脱力感に溢れた雰囲気にしちゃう辺りも素晴らしいなと。
そしてこの巻の見所は鳳→りんね→桜なラブコメ模様でした。りんねに惚れた鳳の空気を読まない感満載の積極的アプローチを全力スルーするりんねが桜の誤解をとこうとするも、何も気にしていない表情をしながら絶妙なタイミングで勘違いだけを積み重ねていく桜という実に不毛な展開。そしてこれは確かにラブ関連でコメディですが、果たしてラブコメと呼んでいいのか若干の疑問が残るという。ただ、常にマイペースで動じない桜の、無関心以上ヤキモチ未満な気持ちの動きがあまり見ない感じで面白かったです。でも、ここまで平然とされると、りんねとしてはどうすべきなのか困るだろうなとも思いましたが!
そんな感じでキャラも増えつつ、相変わらずなテンションの一冊でした。とても面白いと思うので、6巻以降もこんな感じで続いてくれるといいなと思います。