境界のRINNE 40 / 高橋留美子

 

境界のRINNE 40 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 40 (少年サンデーコミックス)

 

 前巻までにこれまでに出してきた各キャラクターたちの関係に決着を付けるようで実のところあんまり変わらず(れんげは変わりましたが)、最終巻でちょっと大きな話がメインの二人に起きるというとっても高橋留美子な展開の最終巻。

桜とりんねは、近づくこともなく離れることもなく、なんとなくの関係でずっと続いてきた訳で、それは真宮桜という子がりんねが何かやっても非常に淡々としているというか、いつも飄々としていたからだと思います。でも桜は感情が薄かったりする訳ではなく、そこが不思議な魅力でもあったのですが、そこのところの話を最後にこうやって持ってくるというのは面白いなと。

りんねにとって桜がそうやって冷静に処理してくれるというのはある種の甘えであり、けれど桜にも何があってもりんねからは好意を向けられ続けられるんだという甘えがあった。終わらないるーみっくわーるどの中でお互いに抱いていた前提をちょっとだけ見つめ直して、ほんの少し二人の関係が進むラストが良かったです。

あとは、40巻も続いて最後まで貧乏ネタを中心にしょうもない真相だったり雑な決着を、手を変え品を変え丁度よい塩梅で提供し続けてくれる、肩の力が入る隙のない職人技なマンガだったなあと。特別面白い訳ではないけれど、安定して読める、安心感のある作品でした。

そしてもう週間連載は大変なのかなあと思っていたら来年から連載復帰とのことで、マジかよ……と思いつつ楽しみにしていたいと思います。