ニセコイ 1〜3 / 古味直志

ニセコイ 1 (ジャンプコミックス)

ニセコイ 1 (ジャンプコミックス)

ニセコイ 2 (ジャンプコミックス)

ニセコイ 2 (ジャンプコミックス)

ニセコイ 3 (ジャンプコミックス)

ニセコイ 3 (ジャンプコミックス)

なんだこの青春!
なんだこの青春!
なんだこの青春!
\ばくはつしろ/
と思わず取り乱してしまうような、王道ド直球ラブコメ。どんな変化球が投げられるか競っているような時代に、この衒いのないど真ん中ストレート、しかも週間少年ジャンプ連載。好感度高いキャラクターが表情豊かに活き活きと動き、カン違いにハプニングにドキドキするような展開満載で、お約束をこれでもかと濃縮したハイテンションラブコメ、けれど緩急はしっかりしていて思わずハッとさせるようなコマもありで、もう何も言うことはありませんでした。なんというか圧倒的に正しく少年漫画のラブコメで、しかも素晴らしく丁寧で面白いのだから。
話的には、ヤクザとギャングの抗争からお互い恋人を演じることになった一条楽と桐崎千棘、相性最悪でケンカばっかりの二人に、実は楽と両想いな小野寺小咲が絡んだ三角関係、そこに10年前の思い出というキーワードがあってさあどっちが10年前の女の子? という展開。千棘の9割5部ツンなツンデレの次第に楽に惹かれていくところとか、一見頼りなさげだけど芯はしっかりした(けれど鈍感な)楽のかっこ良さとか、奥手ながら頑張る小咲の健気さやら、色々詰め込んで大変なことに。シチュエーションも水泳に林間学校に、千棘をよく知る転校生の登場に、二人で閉じ込められるに肝試しに看病にもう王道に王道をこれでもかと。
高校生らしいお互いの足りてなさとか、早とちりとか、そういったものでもどかしく感じさせながら、ドキドキさせられたり爆発させたくなったり、まさに作者の掌の上で転がされている感じがとても心地良い作品でした。ラッキーハプニングやお色気描写はありつつ、いやらしさを感じない辺りも素敵だと思います。楽に随分と矢印が向いている展開ですが、個人的にはやっぱり千棘とくっついて欲しいかな……あ、でも小咲に不幸にはなって欲しくないし……と考えている辺りもうしっかり作品に絡め取られているので早く次の巻を!