プラナス・ガール vol.6 / 松本トモキ

男女二人ずつの集まりで、女同士男同士がイチャイチャする、それがプラナス・ガールというのを最期まで貫き通して、そして突き抜けていきやがりましたよこのマンガは! という最終巻。
正直絆が男だと言っているけれど女かもしれないという逃げ道を用意した状態のままにラブコメとしては閉幕するものだとばかり思っていたので、この展開はちょっと予想外。あとがきで確定まで来ているので一切の余地はありません! みたいな状態な訳で。最終話見開きから後日談の破壊力というか、それ描くのかマジなのかというところまで、ブレなかったのは凄いなと思います。
そしてそんな話でありながら、全く重さも衒いもないのがこの作品世界のいいところだなと。絆が女の子にしか見えない男でそれに迫られて狼狽する槙という構図が基本になる以上、「男だけどいいのか?」はずっと槙の中でありつづけるのですが、ただそれはそうとして周りのその受け止め方は凄くおおらかというか、ひたすら性別にフリーダムな世界になっています。理解があるというのではなく、誰も意に介さない。
それはつまり頑張って「理解」しないといけないものでは無いという訳で、その自然さがこの作品の明るさと軽快さを形作っているのだろうなあと思います。絆の女装を続ける理由もそこに重たさなんて少しもないもので、さっぱり爽やかに親御さんOKも出ますし。全方向にタブーなんて存在しないこの揺るぎない自由さこそフィクションであるプラナス・ガールという作品の魅力なのだろうと。最後まで絆はかわいいし、爆発させたいいちゃいちゃぶりでテンポの良いお話は面白かったです。
そしてカバー下の皆のその後もフリーダム過ぎて凄いというかのんちゃんとそこの姉弟!