バカとテストと召喚獣 2 / 井上堅二

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

こいつらホントにもう輝いてるなぁ！
箱庭空間ラブコメとしては最上級の出来だと思います。とにかくキャラが良いというのが何より。個性的なキャラ同士の掛け合いががっちりときまっていて、しかも文章が面白いと来ているので、あとは何か大きなイベントさえ起こればつまらなくなるわけないという感じ。Fクラスの話と言いつつメインとなって登場するキャラクターの数はそんなに多くないのですが、そのメインキャラ達はどいつもこいつもなんでこんなに愛すべきバカなのでしょうか。
今回は学園祭話。1巻で独特の召喚＆戦争のシステムをやっていただけに普通の話になると弱いかなぁと心配もしたのですが、しっかりと試験召喚のシステムは活かしながらキャラクターを生き生きと動かしていて、心配は杞憂に終わった様で何より。湧き上がる雄二×明久疑惑とか、性別が限りなく「秀吉」に近付いていく秀吉とか、明久のことになると超反応を見せる美波＆瑞希とか、暴走の止まらない翔子とか、いちいち楽しいです。この「楽しそう」感はちょっとただ事ではない感じ。バカなことをやりながらも、なんだかんだでみんな良い奴で、罵り合いながら深いところで信頼の絆があるっていうのはやっぱり理想形なのだと思います。
常にテンションマックスで走り抜けた反面、緩急がないので話運びとしては盛り上がり辛いような気もしましたが、その辺りは今後にさらに期待で。
しかし明久の鈍感バカぶりは極まってまいりました。瑞希と美波の反応が面白いのでそれはそれでいいのですが、そろそろ2人が不憫になってきた感も。ラストの瑞希なんて、酔っ払ってたとは言えあそこまでやったのによもや何一つ気づかないとは！
そしてこの小説はイラストに恵まれていると思います。既にこの小説は葉賀ユイのイラストじゃないとダメだという感じになってきました。……コミカライズとかしないかなぁ。
満足度：A