虚構推理 6 / 城平京・片瀬茶柴

 

虚構推理(6) (月刊少年マガジンコミックス)

虚構推理(6) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 虚構推理のコミカライズと聞いて一番最初にマジかよ……と思ったのがまさにこのクライマックスののシーンで、嘘を嘘でもって無に返すため、ひたすら文字情報を畳み掛けていく盛り上がりをマンガという媒体でどうするんだと思ったところだったのですが、流石でしたね……。いや、最高のコミカライズでした……。良かった……。ありがとう。

多くの人が信じたものが都市伝説だったり、神話だったりとして形をなし、それが実際に力振るう。そこに真実は不在となるか、あるいは必要とされない。その枠組自体は大昔からあったもので、だからこの作品も伝奇の色合いがあって、でもそれをネット時代と結びつけて6年前にこういう形で物語にしたのはやっぱり新しかったなあと思います。Twitterで面白いから、都合が良いからとソースもないまま拡散されていく情報が、いつの間にか真実のような顔をして力を振るい害をなすなんて、今いくらでも観測できることですし、この鋼人七瀬はまとめサイトを舞台にまさにそういう構造で描かれた事件でありますし。

そしてコミカライズが人気になったのか、原作は終わってもこのまま続きが出るということで、ほんとうにもう感謝しかないですよねマガジン編集部さんには。カッコよくて可愛くてちょっとゲスいおひいさまの活躍をまだこれからも見れる、そして城平京に新作小説を書かせることができる……ありがとう講談社、フォーエバー講談社、ついでにアニメ化もお願いできないか講談社。期待して待っています。