虚構推理 7 / 城平京・片瀬茶柴

 

虚構推理(7) (月刊少年マガジンコミックス)

虚構推理(7) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 続きだ! 虚構推理の続きが読めるぞ!!

という訳で、鋼人七瀬より後のエピソードを収録した短編集。探偵”岩永琴子”の特異性を改めて示し直すような3つの事件でした。

というか、岩永琴子、あくまでも怪異たちの知恵の神であって、真実を解き明かす探偵ではないんですよね。怪異たちに何か頼まれれば相談に乗るし、その過程で人に知りえない情報を手にするから外からはチート探偵に見えるけど、別に本人としてそこにこだわりがあるわけでも何でもない。そして、真実が怪異たちの悩みを解決するなら解き明かすかもしれないけど、そうでないなら全然別の納得いく回答をでっち上げることを是とする。それが怪異たちのためになるから。

それが怪異たちと関係ないところにいる人間から見ると探偵のように見えるから、何だか良くわからない存在として謎解きの中心に存在するというのが面白いなと思います。「よく行く店」はまだしも、高級店で一人うなぎを食べてたらいつの間にか菩薩扱いされて勝手に事件が解決していく「うなぎ屋の幸運日」とか、もはや怪異と関係ない部分で本人何もしないまま事件の中心にいるの、岩永琴子だなあと。そして解決というか、相談への対応というオチの部分もまた。

あと、相変わらず琴子が迫っているだけのような九郎との関係も、なんだかんだ言ってちゃんと付き合ってるんじゃんと思う短編集でもありました。お幸せにという感じでもないですが、お似合いではあるのかなと。