半分の月がのぼる空 / 橋本紡

あー、ティーンズ向けだなぁとかライトなノベルだなぁとか思ったり。
雰囲気は良好です。落ち着いて透明感がある感じで、文体は読みやすいし安定。話は病院に入院した主人公と、その病院に入院しているもうすぐ死ぬらしい少女とのボーイミーツガールな恋愛モノ。看護婦さんや入院患者の爺さんもキャラが立ってて、コミカルなやりとりは楽しいです。それで、舞台が病院だって所からも簡単に推察できますが、関わってくるのは病気と死。ひたすら感傷的な感じ描かれるそれらは、王道って言えばまさに王道。きっとこんなふうな話なんだろうってところが予測できますが、まぁその辺は王道だからしょうがない。もしかしたらここから裏切られるかもしれませんが。
それにしても、主人公もヒロインも高校生って言うのはどうなのか。というか、こんな純真でいい子な高校生いましたっけって感じなのですが、これは他のキャラにも言えることだしなぁ。全体を包んだ優しい雰囲気を引き立たせてるので、まぁありなのかもしれません。生死にまつわる話が浅くないかっていうのも、ここを必要以上に重くしてもしょうがないですし。そんなゆるい感じでコミカルに病院ライフを描きながら、きっとどこかでどーんと落とされるんだろうなぁ。そのギャップを楽しむべきなのでしょう。
ということで一巻ではそれほどは。雰囲気も話もよさげなので、続きも買ってきて読んでみよう。