半分の月がのぼる空 2 / 橋本紡

完全に続き物なのでこの巻だけではなんとも。
元々読み切りだったものから話を広げるために、書ききれなかった設定やキャラクターを入れてきて次巻への布石にしてるような感じ。夏目の過去はそのまま裕一の現在にかさなりそうだし、里香の容態もだんだんと悪化している感じ。つかの間の幸せとしてギリギリで取れてる感じのバランスがどこまで行くと崩れるのか。4巻まで出てるので続きを読まなくては。
文章は実に読みやすいです。詰め込みすぎないし、丁寧に感情を追うし、この辺は結構作数があるだけのことはあります。ただ、文章がどうのというのではなく読んでてどうにもひっかかりを感じてしまう部分があります。なんというかほわほわした雰囲気とかこんな純粋な高校生がいるのかってことも多少はあるのですが別に作品世界に対して不自然な訳では無いので、むしろキャラクターの行動なんかに出てくるお約束的な部分が引っかかってるみたいです。まぁ、ライトノベルらしいといえばその通りですし、ローティーン対象だと考えるとこんな感じかなとも思うのですが、どうもイマイチ慣れないというか。
でも、病気と死というテーマから逃げるような感じもしないし、キャラクターの心理も丁寧に追われていて良い感じです。
満足度:B