GUNSLINGER GIRL 5巻 / 相田裕

GUNSLINGER GIRL 5 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 5 (電撃コミックス)

ほぼ一巻まとめてフランコとフランカとピノッキオの話。義体の女の子と担当官の捩れた関係や、やるせない境遇を使わなくてもこれだけのものが描けるのか。ラストの盛り上がりはグッと来るものがありました。
皆まとめて自分の信じた道を、自分のやり方で歩いてるだけなのに、というかだからこそ殺しあってしまうという業の深さ。フランカやピノッキオのああいう過去を見せられては、そこに感情移入する余地もたくさんあるわけで、かといって彼らのやることが全面的に正しい訳でも無いし、義体たちの境遇を知ってる以上最後の戦いはなんともいえないものがあります。トリエラとピノッキオの戦いとかもう。「私は闘わなくちゃいけないんだ!」とかもうみてられないです。不条理。そして結局落ちるところに落ちる。残酷な話です。
この巻は無機質な感じのするこのマンガとしては、何かすごくウェットだったような。ピノッキオやフランカ、トリエラって言った所は、力を入れて書いていた思い入れのあるキャラクターだったのかもしれないなと思いました。
満足度:A