わたしたちの田村くん 2 / 竹宮ゆゆこ

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

1巻が松澤と相馬の話だったのなら、2巻は田村くんの話。
序盤から松澤と相馬の間で悩んで迷ってうじうじしている田村くんに「二股かけてないではっきりしやがれ!」と怒鳴りたくなりますがそこはグッとガマンで。
後半で二人の気持ちも考えずに逃げてばかりいる自分を反省して、しっかりと意思を示す田村くんは格好いいと思いますが、しかしそこまでがちょっと酷いかなとも思います。松澤と相馬がしっかりいろいろ考えてるのが伝わってくるのは好印象。ただ守られるだけのか弱い少女じゃないのが良いです。決断はまぁ、そうだろうなぁといったところ。
全体としてはちょっと構成としてどうかなぁと思う面が。クライマックス級のイベントや盛り上がりが、断続的にどーんどーんと来るものだから、読んでいて非常に疲れます。じわじわ盛り上がって、最後にクライマックスが来るような話のほうが、もう少し落ち着いて読めて好みです。
総じて1巻ほど楽しめなかった感が。ラブコメはしばらくおなか一杯かな。


ちょっと引用。

いつもいつも、ごまかしていた。「いつか」という言葉に逃げ込んでいた。――答えを聞くのがこわかったから。否定されないうちは、肯定の可能性を妄想して楽しんでいられたから。のらりくらりと、心地良い「無責任さ」に浸っていられたから。
それが、この結果だ。

いろいろな場面に応用可能。読んでいてちょっとグサっときました。
満足度:B-