しおんの王 3巻 /かとりまさる・安藤慈朗

しおんの王(3) (アフタヌーンKC)

しおんの王(3) (アフタヌーンKC)

普通に面白いです。
3人の女流棋士を中心としてそれぞれのキャラクターや人間関係を深めつつも、プロアマ男女問わない将棋トーナメントという少年マンガ的手法でオールスター戦を開始。その裏で名人の弟が何かを企んでいて……みたいな感じでストーリーラインが堅調。名人クラスに紫音たちが挑み、さらに無名のアマが活躍するというトーナメントは単純に面白いです。将棋のシーンは深く突っ込まないので、素人でも平気。絵が対局の緊張感や眼差しの強さからそれぞれの思いをうまく表現していて飽きさせないです。
そうなってくるとむしろ、紫音の過去に巻き込まれた両親殺害事件と現在の将棋界がリンクしてくるようなサスペンス展開のほうに一抹の不安が。うまくリンクさせれば良作になると思いますが、失敗したら話を壊しちゃいそうな予感もします。
紫音の筆談とか歩の女装とかピンポイントに狙ってくる部分は、あざといとわかっててもやっぱいいなぁと思ったり。紫音と歩の関係の発展が気になります。
満足度:B+