F1サンマリノGP 決勝
素晴らしいレースでした。
何よりも感じたのがミハエル・シューマッハーの強さ。限界説も引退説も吹き飛ばす、アロンソとの新旧チャンピオン対決。そして2秒という僅かな差じゃ計り知れない、アロンソを真正面から完膚なきまでに叩き潰した完璧なる勝利。この人はすごいという忘れかけていたことを思い起こさせてくれました。ミハエル37歳。老け込むにはまだ早すぎます。
とにかくミハエルとアロンソのレース。スタートで逃げたミハエルとバトン、マッサを捉え切れなかったアロンソ。ファーストスティントで逃げに逃げたミハエルの姿に、今日はミハエルかと思いきや、セカンドスティントに入ってのと突然のペースダウン。マッサのペースも下がっていたのでおそらくはマシンの問題でしょう。そして詰まっていくアロンソとの差。本当に全く上がらないペースのまま1秒以内の差でのバトル。もう一回ピットを残してることを考えれば、ここはもうアロンソで決まりのはずだったという場面。
先に動いたのはアロンソでした。ミハエルのペースに痺れを切らして、先に動いて抜きに行く作戦へ。しかしそこでペースをあげられるのがミハエル。当然入れてくる翌週のフェラーリスタッフによる完璧なピットインを終えコースに戻った時、前に出たのはミハエルでした。そして残り20周。アロンソが迫りくるミハエルを10周にわたって抑えきった去年の裏返しをみるような展開の中、去年の倍の周回数を抑え切って見せたのはミハエルでした。ラスト数週でのアロンソの小さなミスでの決着。まさに「皇帝」ミハエルの完勝でした。
さてここで疑問があります。
ミハエルのセカンドスティントは本当にあれほど遅かったのか?
同じようなペースで走っていたマッサが26秒前半に入れた時、ミハエルはアロンソを押さえにかかっていたとはいえ、27秒半ばで走っていました。
もしそれによってアロンソを先にピットに入れるのが作戦だったとしたら?
痺れを切らしたアロンソに対して、すぐ翌周のピットストップ。そしてこのインラップ、アロンソを抑える必要がなくなったとはいえ、ミハエルは26秒を切るような勢いで走っていたのです。
つまり、本当はもっと速く走れたのではないか?
そう考えると普通に走って、アロンソに後からピットインされると勝ち目の無かったフェラーリミハエルのあまりにも完璧な作戦だったのではないかと思えてならないのです。もちろんこれは推測の域をでませんが。
そして結局ラスト20周、ミスを先にしたのはアロンソでした。もちろんアロンソは2位でも十分だった訳ですが、作戦においてもコース上においても完膚なきまでにミハエルは勝っていたのではないかと思います。本当に強かった。
他のところでは、ペースは早いがどうもイマイチパッとしないマクラーレンとか、ピットのミスから自滅して言ったホンダとか、3ストップ成功ならずだったトヨタとか、堅実に走りきったウェバーとか見所も多かったです。
さて次からどういうレースを見せてくれるのか。楽しみです。