TOY JOY POP / 浅井ラボ

TOY  JOY  POP (HJ文庫)

TOY JOY POP (HJ文庫)

理解できるような気もする。でもやっぱりわからないや。
なんというか、方向性は多分私にあってるんですが、ほんの少しの微細なズレで好みから離れていってしまったようなそんな印象。もしくは私の好みがズレたか?
ライトノベルってどんなものだろと思って読むのはオススメできません。ユルユルでもありません。もっと世界に毒づいたような、夢も希望も無いけど俺達は楽しく生きていくんだ的な、エロでグロで不条理で、悪趣味極まりないけど最後はちょっとだけ頑張ろうかなと思えるような。何となくユヤタンとか海猫沢めろんとかそっち系を想起しましたが、人によっては全然違うというかもしれません。
話はファミレスでだべり続ける5人の男女。そして退屈な街。それぞれの事情と想いという感じ。基本的に3本話が平行で進んでいくのですが、それが最後に一つになったりしないのでちょっと肩透かし。退屈な街の中の出来事ABCみたいなイメージでしょうか。構成としてはどうなんでしょう、これ。そしてこれがまぁ、そこだけやたらファンタジーな間接ババァとの激闘だったり、売春組織と歪んだ愛情の物語だったりと、色々容赦がありません。何も人間のダークな面だけをそこまで抽出しなくてもと思ったりもします。
これというベタな話の展開はどこかで脱臼されたりされなかったり。フクちゃんは気遣いはできる人だけどうざいし、どのキャラクターだって皆自分のことばかりで好きになるとか無理っぽい。読者を嘲笑うかのような、グダグダトークの行き着く先はどこまでもクソみたいな日常で。
それでも最後の5ページで、人生そんな悪いもんじゃないっしょと思わせる辺りが、なんともいえない小説でした。こんなに嫌いなのに悪くなかっただなんて。

救いなんかねぇ。答えなんかねぇ。
だったら、あれ? 世界ってなかなかおもしれーじゃんって勘違いできたら、それでオールオッケーでしょ。

満足度:B-