- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: コミック
- 購入: 16人 クリック: 62回
- この商品を含むブログ (277件) を見る
相変わらず素晴らしいです。読んでる間の感覚も読後感も素晴らしく良いです。溜息。
少女達の関係も舞台もとにかく綺麗。フワフワしてファンタジックで一種美しい少女の世界なのですが、ギリギリのリアリティで現実と繋ぎとめられている感じのバランスが良いです。現実離れしてるようで、どこか確からしさみたいなものがあります。描かれているのは、少女の世界で絡み合うつかみ所も取り留めも無い少女たちの感情。つかんだと思った次の瞬間には影も形もなくなってるような不安定さ。どこがとははっきり言えないのですが、なんだかとても良いです。
それから1コマから感じられるイメージの広がりが良いなと思います。ちゃんととした世界がこの向こう側にあるという感覚。そしてその世界の空気が感じられます。
話は好きだとか好きじゃないとかそういう感情が入り混じってるような。そんな渦に巻き込まれないで周りのためにおせっかいを焼き続けるあーちゃんが良い子だなぁと思いました。
個人的には志村貴子作品の中でベスト。1年に1冊しか出なくても待っています。
満足度:A