NHKスペシャル グーグル革命の衝撃 〜あなたの人生を“検索”が変える〜

グーグル賞賛番組かと思ったら、情報を一手に握る企業という存在の怖さも描いていて、なんだかんだんでNHKはしっかりしてるのかなぁと思いました。
Googleという会社はITとかネットとかを駆使して情報を統べることで、世の中の仕組みをひっくり返しかねないことをしていると思います。それはもう、何か魔法のようなものを突然の中に導入してしまったかのように、今までの常識をひっくり返しかねないことです。
ただ、それだけの事を起こして、それだけの影響力を持ってることに対してこの会社は若干考えが及んでないのかなぁという印象も受けるのです。Google社員の方の講義を聞く機会があったのですが、その時も「検索によってランク付けされることで格差が生まれると思うのだけどどう思う?」的な質問に対しては歯切れの悪い回答をしていましたし。これがお金の流れから、人々の暮らしまで変えてしまうだけのことであるなら、研究室の延長線上で便利なことを実現するとか、すべての人が情報にアクセスできる社会という理念とかだけでは押し切れない気がします。
情報を一手にGoogleが握って、それを届ける手段をコントロールするすべを持ち、そしてGoogle検索エンジンとして圧倒的なシェアを持つならば、Googleが手を加えることで情報統制を行なうことですら容易なのですから。番組内で挙げられた中国の例のように。
大きな話になればなるほど、遠い世界の話に聞こえてきますが、私たちが検索してアクセスする情報は、見つけるものではなくて用意されているものであって、そこには恣意が加わる可能性があるということだけは理解しておくべきなのだろうと思います。