とらドラ4! / 竹宮ゆゆこ

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

ちょっとラブ寄せ?
男の幻想と女の妄念を掛け合わせて、天にも届く妄想の塔を建てたようなラブコメ第4巻。男の子向けラブコメなのに、作者が女性で女性の視点が入ってる辺りが他と違うところでしょうか。巻頭イラストの結婚式帰りの独身女教師に何らかの怨念を見ました。
え−と、つまり言いたいことは、何でお前らそんなに楽しそうなんだよ! ということでしょうか。青春ってのはもっと灰色なもののはずだ!
戯言はこの辺にして感想。亜美の別荘に大河、竜児、北村、実乃梨、亜美の5人で旅行というこれ以上ないシチュエーションで、色々なところで関係が進展したり、チラッと素顔が見えたり、という話なのですが、相変わらずのギャグ密度と、実乃梨を怖がらせようとして奮闘する竜児と大河というパターンができているので、読んでいてあまりラブな感じでもありません。ただ、ラストに来てグッとラブ寄せな感じ。この旅行で今までの関係性を踏襲するネバーエンドなラブコメ時空から、少しずつ確かに関係性が動き出す素振りが見えました。とにもかくにも続きに期待。コメ方面も非常に面白いので期待していますが、いつまでも続く事のない時間の中での青春ラブストーリーみたいな思いっきり切ないやつを読んでみたい気もします。
関係としては、実乃梨や亜美との距離感が縮んでるようなそうでもないような。大河と竜児の関係はガキんちょと保護者のそれにしか見えないし、実乃梨は良いお友達にしか見えないし、亜美から竜児はありそうでも竜児から亜美は想像できないしで、カップル成立が見えそうで見えません。ただ近しい関係にあることは確かなので、どこかで歯車がかみ合えば一気に動いてくるような気も。そう考えると、かなり着々と足場を固めている感のある第4巻でした。
満足度:A-