ねくろまねすく 1巻 / 玉置勉強

ねくろまねすく 1 (バーズコミックス)

ねくろまねすく 1 (バーズコミックス)

これはジャンル分けが難しい……。
「東京あかずきん」の玉置勉強最新作は、日常コメディのような何か。ラブも事件もありますが、どこが主軸なのかよく分からない感じ。でも、読んでいてなかなか楽しいマンガです。
話としては怨恨から女に刺されて死んでしまった女泣かせの青年阿美健一郎が、何故か「不死者」として甦り、そこをドイツ人美少女カタリナに拾われるという感じ。そこからカタリナと、アミ、そしてカタリナの妹(?)のノラとの奇妙な共同生活が……というものなのですが、そこは一筋縄でいきません。そもそも不死者ってなんだよって話もありつつ、訳ありの科学者で金髪アイパッチで男性恐怖症なカタリナはアミを女装させるし、アミは意外と似合うしその恰好で外に出ることも嫌がらないし、ノラも実は不死者っぽいし、でもやってることは買い物に行ったり花見をしたり事件に巻き込まれたり。そもそも不死者などの設定は非日常感満載なのに、細かい部分に日常感バリバリなのが何とも言えない原因。あっという間に自分の境遇に慣れて、ボロアパートで適当な恰好のまま3人でコタツを囲んでだらだら喋っているのだからなんともいえない生活感は隠しようがありません。
そんな中でもやっぱり一番の見どころはアミとカタリナの微妙な関係か。男免疫ゼロなカタリナが、ちょっとずつアミにおちていくさまが楽しいです。高飛車で世間ずれしていて意外と脆いキャラクターというのは昨今珍しいものではないですが、やっぱり魅力的。
そして全体的に倒錯的だったり背徳的だったりどうにもエログロな悪趣味さがちらつく部分が作者らしいかなと思います。
満足度:B+