ラノベとか純文学とかボーダレスとかの話

朝新聞を読んでいたら、群像の新鋭による短編競作みたいな企画の先頭に「海猫沢めろん」の名前を発見。

群像 2008年 04月号 [雑誌]

群像 2008年 04月号 [雑誌]

慌てて確認してきたら、本当に海猫沢めろん名義の小説が載っていました。……純文学の雑誌にエロゲーのライターかつジュブナイルポルノ出身(ゲームのノベライズというべきか微妙ですが)の作家がそのままの名義で載った前例ってあるのかなぁ。
そして、文學界にエッセイが載っていて、しかもしばらく前に新潮にも何か載っていたらしくて、これはもしや純文学の世界の人になるのか……? という感じ。
よし、こうなったらもう芥川賞しかないと思うんです!


文学界 2008年 04月号 [雑誌]

文学界 2008年 04月号 [雑誌]

あと、文學界の11人座談会「ニッポンの小説はどこへ行くのか」で、ラノベのことが言及されていました。主に筒井康隆が。
要するに「固定読者層がたくさんいて羨ましい」というのが根底にあるんじゃないかという話をしていました。だったら、その層に向けて自分も書いちゃうよ、ということでの筒井康隆ラノベ挑戦という話はあるみたい。なにはともあれ、「ビアンカ・オーバースタディ」を読んでみないことにはわかりませんけど。
あと、この人のハルヒに対する高評価は本気なんだなぁと。こういう対談で「涼宮ハルヒの憂鬱」なんていう単語を見かけるとは……。


ダヴィンチ 2008/04月号

ダヴィンチ 2008/04月号

ダ・ヴィンチではライトノベル特集。
特集タイトルを見て「まだだ! まだ終わらんよ!」と思った時点で釣られていますかそうですか。あるいは「ラノベは死なん! 何度でもよみがえるさ!」とか。
中身は至極真っ当なライトノベル特集でした。別にこれでライトノベル読者が増えなくてもいいから、先入観とか間違ったイメージとか、そういうものがなくなったらいいなとか。
おもしろかったのは大森望三村美衣の対談。「ライトノベルがなくなるのか、世界がライトノベル化するのか」という時代は個人的に凄く面白いので、なんかもっとエポックメイキングな出来事がどんどん起こってほしいと思います。そして群像を読んで上記のような感想を持った後で、大森望の「ある日突然、海猫沢めろん芥川賞候補になるとか」発言を読んで笑いました。