舞勇伝キタキタ 1巻 / 衛藤ヒロユキ

まさかのグルグルスピンオフ作品ということで気になっていたところに、表紙のあまりのインパクトに思わず手に取ってしまいました。なんだこの親父……。
そして中身はまさにグルグル的世界観というか、RPGベースのギャグマンガを当時のノリでやっていてとても懐かしい感じ。最近の衛藤作品はちょっとついて行き難いものもあったので、このノリがもう一度読めたのはグルグル好きとして素直に嬉しかったです。
話的には勇者を目指す少年チキが冒険に出るお話なのですが、そこに全面的にキタキタ親父が介入してきて、あのキタキタ踊りによって不可能を可能にしたりキモかったり人類を超越したりウザかったりするというカオス。
そもそもニケとククリが既に伝説として英雄化されている世界でどうして親父が当時と何も変わらぬままの姿なのかという部分から突っ込みどころが満載過ぎます。そしてキタキタこんぼうにスネ呼吸にと常にクライマックス。面白い……けどキモい!
グルグルにおいてサブキャラとして異様な存在感を放っていた親父が、かなりメインに近い立ち位置で出てくるため、読んでいて途中から胸やけを起こしてくるような気もしますが、不条理ギャグとしてのキレ味はさすがのものがあると思いました。
そしてキタキタ踊りを好きになる変わったモノ好き天然系なルータ姫がパーティーに加わり、チキの冒険ものとしても面白くなりそう。続きも楽しみに待っていたいと思います。