とある科学の超電磁砲 08 / 鎌池和馬・冬川基

学園都市規模の体育祭の中で動き出す陰謀。攫われたミサカ妹、暗躍する食蜂、動きを封じられた美琴という展開はスピード感があって非常に面白かったです。美琴の絶対的な力を持ちながらも動きを封じられて詰まっていく感じ、食蜂の精神操作という反則級の力で一番近い味方である黒子まで奪われた中で、彼女に手を貸して動き出すのが婚后さんという辺りが実に良い感じ。そしてその婚后のために彼女の友人である湾内さんと泡浮さんが、下衆な敵に戦いを挑むこの友情展開、素晴らしいじゃないかと。こういう脇役だったキャラクターたちが活躍する話はたまらないものがあります。そしてそこから動き出す主人公たる美琴のキレた迫力!
キャラクターは皆女の子ですがやっていることは実に少年マンガ的で、動きの見せ方や相手の裏を取り合う能力バトルもレベルが高い、面白いシリーズだと思います。食蜂は表舞台には出ず、まだどんな勢力がいて、どんな思惑があるのかも分からないこの話がどうなるのか、次の巻がとても楽しみです。