【マンガ感想】THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149 5 / バンダイナムコエンターテインメント・廾之

 

 相変わらずキャラクターに対しても、ストーリーの紡ぎ方も本当に丁寧で、愛情を感じられる素敵なマンガだと思います。

この巻は、第3芸能課の子たちがデビューを目指して自作動画で5000PVを目指す話。思うように再生数が伸びない中で意見がぶつかったり、焦りからピリピリした空気になったりという中で、仁奈という一番純粋な子を主役に持ってくるのが上手いです。周りの空気に敏感で、それをプロデューサーに相談できて、楽しもうという方向に持っていけるのは、仁奈しかいなかったよなあと。

そして、動画を作る子どもたちと対比される形で、彼女たちの力を信じて、そのこれからを背負って大人の世界で戦うプロデューサーの姿が、やっぱり子どもたちに思い入れがある状態で読むと、格好良くて。100点の結果を持ってこれずに謝るプロデューサーへの彼女たちの反応が1巻の頃とはまるで別物になっているのが、築いてきた信頼関係と、共に歩んできた道を思い起こさせて泣けました。

それからこの巻、梨沙とありすがペアで出る機会がすごく多いんですよね。2人とも向上心が強くて、負けん気が強くて、でも天才ではない、どちらかというと天才を見上げながらあがくタイプ。だから、梨沙は晴を見てるし、ありすは桃華を見ているんだと思います。

でも、そんな2人が一緒にいるとすごく似ているようで、お互いに向ける視線にちょっと違いがある。ありすは純粋に上しか見ていなくて、そこで梨沙が、ありすが桃華しか意識していないのが腹立つって言うのが、最高に的場梨沙って感じです。あの4人の中で一番気持ちは強く、一番底から一歩ずつ這い上がる、その愚直さ不器用さ含めて、的場梨沙が好きだなあと思いました。