バカとテストと召喚獣 3.5 / 井上堅二

バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫)

楽しい!
バカテス初の短編集は、クラス対抗バトル分が無いので、ラブコメ分大増量。そのラブコメ部分の出来が良くて、お馴染みのバカっぷりに爆笑し、ラブ部分にはニヤニヤ。読んでいてこんなに純粋に楽しくなれる小説ってなかなか無いような気がします。妙にシリアスになったり、変にベタベタしたりしない、さっぱりとした読後感も素晴らしいです。
しかし、明久のモテっぷりは凄いですね。「予習編」の時点で既に3人から好意を寄せられているという。それなのに、3巻たっても何も気がつかないのはもっとすごいですが! 美波や瑞樹のアピールがヒートアップしていくのも納得。明久が誰とくっつくのかは、この先の大きな見どころ。
そんな鈍感な明久ですが、真っすぐな良いやつで清々しくバカで、しかも可愛いという魅力をこの巻でもいかんなく発揮。喫茶店話の失敗をしてお客のお姉さんに応援される明久は正直とても可愛いと思います。男の子をこれだけ可愛く描いてあるラノベは初めて見たような。秀吉みたいな男の娘タイプは別ですが。
その秀吉は、作者とイラストレーターの愛の力で暴走したのか今までにも増して大変なことに。寝起き顔カラーイラストに始まり、水着話で限界突破して、ウェイトレス姿で畳みかけるというプッシュっぷりはもはやメインヒロイン。まぁ、性別は「秀吉」なのですけど。
翔子や雄二などほかのキャラクターも魅力的で、しかもどの話もテンポよく安定した面白さで、非常に楽しめた短編集でした。本当は一話一話語りたいくらいですが、それをすると長くなるのでその辺は割愛。
後は、小ネタ的なおまけ部分が充実していたのも良かったです。ラストの鉄人による人生相談に爆笑しました。