涼宮ハルヒの溜息 / 谷川流

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

退屈のほうを先に読んでから、読了。確かに面白いんだけど、これはちょっとどうかなぁという気がします。あんまし盛り上がりどころが無いです。テンポの良いグチ混じりな文章は読みやすく面白いし、キャラクターは十分立ってて魅力的であるし、設定も素っ頓狂だけど面白い。そして、ハルヒが何か良からぬ事を考えて、それによってキョンが苦労し、SOS団の残りのメンバーが何とかする、というパターンもできているので、そこに何かイベントをほうりこめば、面白い話ができると。そんな感じです。今作は文化祭に向けて映画作り。ハトが白くなったり、猫が喋ったり、目からビームが出たり。朝比奈さんがあまりに哀れ。映画作りに関する話は展開して結末は一応あるのですが、いまいち盛り上がりどころに欠ける気がしました。朝比奈、長門、古泉それぞれの立場を解説して終わっちゃったような、話を進めながら設定を解説して終わっちゃったような気がしなくもないです。まぁそれなりに楽しく読めましたが、憂鬱のほうが長編としてはまとまってたのかなぁと思います。あと、キョンのモノローグを他のキャラが読んでるんだか読んでないんだかよくわからない文章は、やっぱり少し違和感があります。