ほしのこえ / 新海誠・佐原ミズ

ほしのこえ (KCデラックス アフタヌーン)

ほしのこえ (KCデラックス アフタヌーン)

この切なさ、儚さ、リリシズム。
さすがにセカイ系純愛ものの代名詞です。とにかく他の全てを排除してでも、宇宙と地球の時間的距離に引き裂かれる男女の恋がひたすら高純度に描かれます。未来より過去よりこの世界よりも今この瞬間の愛しさと切なさ。「王子様とお姫様は結ばれて、末永く幸せに暮らしました。めでたしめでたし。」のない恋物語。男性向けの純愛物として、すごく良く出来ていると思いますが、これを女性視点にしたら女性向けの純愛ものになるのかな。セカチューや冬ソナなどの純愛ものと対象としている性別・年代がちがうだけで、根っこは同じところにあるような気もします。セカチューも冬ソナも見てないので完全な推測に過ぎませんけど。
絵はストーリーにものすごく合ってます。繊細さと透明感に溢れた絵。上手だし、好みのタイプの絵なので、この人がこれからどんなマンガを描くのか楽しみです。
なんにしても、不覚にも泣かされたのは確かな事実。切なさがキャパシティを超えていました。そういえば最終兵器彼女を呼んだときにも涙した記憶があるので、私はこの類の話には相当弱いのかもしれません。
満足度:A−