GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 桜庭一樹,武田日向
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/12/10
- メディア: 文庫
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内容はついに本筋が動き出したという感じ。今までの4巻は下準備に過ぎなかったのだということが感じられました。話の緊張感や密度が上がってきています。
ヴィクトリカが学園から姿を消し、久城はヴィクトリカを迎えにベルゼブブの頭蓋という修道院へという話。ただそこには過去の因縁や科学アカデミーとオカルト省の対立、灰色狼達の秘密とたくさんのものが眠っていて、物語は一気に今までの情報を総動員して動き出します。ヴィクトリカの存在の意味、科学アカデミーとオカルト省の対立。ブライアンロスコーとヴィクトリカの母コルデリア・ギャロの灰色狼二人の生命線である形見箱に隠された謎。そして世界大戦。ヴィクトリアの父にしてオカルト省重鎮アルベール・ド・ブロワ侯爵やコリデリア・ギャロも登場し、役者は揃ってきました。
それでもその大きな話の中でも注目されるのは久城とヴィクトリカの絆。行動の端々に久城の強い思いを感じ、ヴィクトリカの信頼を感じます。ラストのセリフの応酬がすごく良かったです。アブリルが少し不憫でしたが…。
トリックは奇術的なものや定番のもので相変わらず簡単な感じですが、物語に上手くはまっていて良いと思います。
形見箱という大きな謎を残したまま物語は続き、さらには二次大戦という大きな闇が迫っているだろうということを考えると、このまま簡単に話は進まないでしょう。続きが俄然楽しみになってきました。
満足度:A-