- 作者: 古味直志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/08/04
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 123回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
トロイという病気の恐ろしさ、シスターという存在の哀しさ、そういったものもこの物語の大きな要素ではありますが、「2人が手をつないでいないと、エルーは死んでしまう」という要素が何よりも素敵。全編通して流れる澄んだ空気と瑞々しさも相まって、独特で魅力的な雰囲気があります。ガールミーツボーイなファンタジーとして純粋にドキドキワクワクさせてくれて、とても好みな感じでした。
エルーの真っ直ぐな性格とキリの飄々としている性格は良いコンビになりそうで、キリの両親やスイといったキャラクターも良い感じ。ただ、話の展開にはちょっと無理を感じる部分があったり、バトルものの方向に進むのはどうなのかなと思う部分もあって、もう少し先まで読まないとなんともいえない感じも。むしろこの作者の持ち味は、巻末収録の短編「island」のように感情をぶつけるような瞬間を描いたときに出てくるのかなとも思いました。
とはいえ、このセンスはやっぱり魅力的。この先二人がどんな未来を作るのか、続きも楽しみにしたいマンガです。