魔法先生ネギま! 23巻 / 赤松健

魔法先生ネギま!(23) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(23) (講談社コミックス)

父を追う光の道と師匠を追う闇の道を提示されたネギが出した結論は! といった趣の23巻。
ネギの性格からいえば、自らの体に負担を強いてでも強さを求める闇の魔法は合っているのでしょうけど、自己犠牲的でしかも融通のきかない真面目さがあるだけに自分の首を絞めることにならなければいいなとちょっと心配。そして少年マンガの主人公がこの二つの道を提示されてそちらを選ぶか、みたいな驚きも。というか、やっぱり10歳の少年に強いる決断じゃないよなと少し思ったりもしますけど。
そんな中で魔法世界に散り散りになったネギパーティーの面々の消息が続々と判明。それぞれ無事どころか逞しいもので、どこまで適応力が高いのかと突っ込みたくなるくらい。そして賑やかになってくるに従って明るくなる雰囲気は、やっぱりこのマンガには彼女たちが必要なんだと思わせるに十分でした。今まででキャラが立っているだけに、舞台が変わって変わらない魅力があったり、見えてくる魅力があったりで良い感じです。
ただ、その分話が拡散していてそれぞれがちょっと薄いかなという印象も。割としっかり描かれていた夕映の話だけでなく、のどかの話やアスナ&刹那コンビの話なんかもきっちり描いたら面白そうなのになと思うのはさすがに贅沢か。
キャラクター的には、今回表紙でもあるエヴァはやっぱり戦ってこそ魅力が出るなと思ったり、刹那と再会した時のこのかの反応でニヤニヤしたり、ネギを必死で看病する千雨の姿にやっぱりニヤニヤしたりと非常に良かったです。やっぱり魅力的なキャラクターが多いというのを再確認。
そんな感じで、どうなることかと思っていた学園からファンタジー世界への豪快なシフトにもすっかり慣れて、これはこれで非常に面白くなってきました。フェイトの方に動きがありそうな次の巻にも期待です。