- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: コミック
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ある意味ミステリ的な語りの構造で、ただ描かれていくのは真実なんかではなくて、紐解いても紐解いても複雑にねじれてしまっている一人の少女の姿。そのすべての起点に失ってしまったという体験があるということだけ。それは決して戻ることのない事実だから簡単に折り合いがつく訳がなくて、そこから積み重ねたものは自分を責める意識さえも自分を守るための嘘かもしれなくて、ただそれでも生きていくしかない。
ちなみに読んでいる間、放浪息子の千葉さんみたいなこじらせ方だなあと思っていたら、あとがきで作者も同じことを言っていたのでやっぱりおんなじタイプの面倒くささなんだな! と思ったり思わなかったり。