屈辱の形 / 有栖川有栖 (野性時代12月号収録)

うへぇ。
批評家の先生に、その批評に人生を狂わされた作家が復讐する話。それはちょっと気にしすぎだろ、みたいな感覚は小説を書くことの重さを分かっていないから言えることなのかも知れませんが、これはまた極端な。なんというか、批評家側にも小説家側にも等しくシニカルな視線が向けられているような印象でした。距離感の取り方としては賢い感じがします。殺人の謎解きがあるにはありますが、それは割とどうでもいい感じ。全体的に見て、結構面白かったのですが、なんともいい難い短編でした。
満足度:B