愛してるぜベイベ★★ 7巻 / 槙ようこ

ベイベ最終巻。
今まで別のテーマの話が多かったのですが、この巻はクライマックスに向けてゆずゆの話。母親に捨てられた子供とそれを育てる青年の話としてテンションが高いまま一気に駆け抜けた感じです。冒頭で結平と心の話にはかたがつくので、基本的にゆずゆの話一本。ゆずゆが母親に対する想いの中で押し潰されていくのを、周りの人間がどうするのかといったところ。このマンガの根幹の部分なのできちんとかたを付けてくれると良いなと思ってましたが、期待に違わずきっちり締めてくれました。母親への想いから不安定になるゆずゆとかそれを見て思い悩む結平とかかなり良い感じです。そしてクライマックスは一つの回答として大いにありだと思います。危険もあるのでしょうが、これも一つの選択。母親に捨てられた子供という繊細な問題を綺麗にまとめたと思います。ネタバレになりますが、結平とゆずゆの別れのシーンは結構グッと来るものがありました
それにしても無邪気で純粋なゆずゆが反則的に可愛いです。それを取り囲む人たちもそれぞれゆずゆの事を実直に考えてるし、根本的に不幸な話ではあっても、良い家族だなぁと思いました。ただ、ゆずゆがママのことはあんなに気にするのに死んでしまったパパのことは話題にも上がらないのはちょっと不自然かな。話の上で必要のない部分ではあるのでしょうが。
満足度:A-