銀盤カレイドスコープ vol.2 / 海原零

あー、vol.2と言いながら後編なんですね。
と言う訳でvol.1の続き。オリンピック挑戦編です。相変わらず目いっぱいのスポーツものっぷりで、マスコミともめてみたり、プレッシャーに押し潰されそうになったり、大舞台で演技をする興奮を味わったりするタズサの様子が描かれてます。マスコミともめてる部分は個人的に好みじゃないのですが、有形無形のプレッシャーに苛まれる様やスケート部分の心理描写とかはなかなか。プレッシャーに崩れそうになるタズサをピートが支えてる所とか、感情がよく書けてるなと思います。それ以上に、オリンピック本番での不安や興奮がすごい伝わってくるのが印象的。スケートの描写が妙に視覚的なイメージに訴えるのも相まって、ほんとにその場にいるような引き込まれ方ができます。これは結構すごいです。
もう一つの面のタズサとピートの物語としてもなかなか。タズサがピートの存在を通じて成長してく様もよく分かりますし、別れの場面とかグッと来るものがありました。ちょっとピートの方が人間できすぎてるように見えるのは幽霊だからと言うことで。
内容面ではすごく良いと思うのですが、どうも私はこの人の文章やノリがイマイチ合わない様で、どうにもこうにも読みにくさを感じたのも事実。vol.1、vol.2合わせて良かったとは思えるけど、続きはお腹いっぱいかも。
満足度:B+