僕らはどこにも開かない / 御影瑛路

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

壊れた人たちが壊れたことをする話。それ以上のこともそれ以下のことも無く。
主要登場人物が何人かいて、その人達の視点を切り替えながら、なにやら気色の悪い事件を追いかけていくという感じ。テーマはコミュニケーション。人の気持ちを人が縛り、人の行動を何かが縛り、ちょっとした言葉に操り操られ、そして壊れていくみたいな話でした。このコミュニケーションに対する変な拒絶と肯定みたいな感じがなんと言うか今風。
ただ、壊れている話を書いてる割に、少しあっさりしすぎているというか、なんかいかれた話やいかれたキャラクターに付きまとうような情念のようなものを感じなかったのが残念。気味は悪いけど、無機質な感じでした。
満足度:C-