- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: コミック
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ラヴ・バズのほうは最終巻。結局まとまったのかまとまってないのかよく分からないまま終わったような気がするのは、藤さんに劇的な人間的成長が見られないからか。このままこのウダウダした日常をずっと続けていけるような気もしますが、そんなことしてもしょうがないので、区切り良いところできっちり終わってるような気もします。
そして藤さんは最後まで極度のダメ人間っぷりを披露。ワガママ自己中で、自分のやったことを反省して決心してやる気になってもも、結局追い込まれると訳わかんなってまた逃げ出して、考え込んでウダウダして泥沼にはまってのエンドレスリピート。…何かどうにもどこまでも他人の感じがしないのは置いといて。それでもやっぱりやるしかないのです。そんな藤さんを見捨てるでもなく許すでもなく、微妙な距離感でタッグを組み続け友人として?も接し続けるゆりや、何度逃げ出しても見限ったりしない社長たちは良い人たちだなぁとか思います。藤さんばかり見てると人間どんなグダグダでも何とかなってしまうという話のようで、俯瞰すると結局人間たくさんの人に支えられてその関係の中で生きてるんだなぁとという話のような気もします。
その藤とゆりの関係がべったりでもなければ、適度な距離感という感じでもなければ、仲が悪いわけでもないという不思議な関係で面白いです。ダメダメで何度も逃げては迷惑をかける藤に怒りながら見捨てないゆりというような感じで。そんな感じで志村貴子の描く人間関係は何か良いなぁと思いました。
個人的にはゆりのこのセリフがヒット。
「怒鳴られてるうちが花だってわかったかバカヤロ」
「ゆりだけは見捨てないでくれるんだね」
「誰も見捨てたりしてないよ。みんなあんたに見捨てられただけ」
人は一人で生きてるんじゃないんだから、自分のことしか見えなくなっちゃいけませんというお話。
満足度:A