- 作者: 広沢サカキ,CUTEG
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 文庫
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相変わらず頑張る少女たちのお話として非常に素晴らしいものがありました。箱根ということで温泉だったりのイチャイチャ成分や、さらにタキの寝起きドッキリなどもあって、この作品のそういう部分はちょっと下品が過ぎる気がして好きではないのですが、それを差し引いても十分楽しめるだけのものがある一冊だったと思います。
今回はエリーとモモの関係と、エリーというキャラクターを掘り下げるような話。母親である伝説のアイドルを追いかけて名実ともにトップアイドルとなったエリーと、父親であるユウガクの関係。そしてそのユウガクが発掘した、どこか母に似たモモという少女への複雑な感情。ただまっすぐにぶつかってくるモモに対して、冷たい態度を取ったり、気まぐれに助けを差し伸べてみせたり、そういった行動の裏にあったものが少しづつ見えてくるような展開。
オリンとはまた違った意味でモモに対してツンデレ的な反応をするエリーの姿と、そこにぶつかっていくバカだけど真っ直ぐなモモの姿。そして起きたある事件と、その中で少しだけ近づいたような気がする二人の少女の関係が大変良いものでした。
そして新人王候補のレンゲに対して策を立てられずにいたモモを本人は絶対そうは言わないけれど助けるため、オリンが噛ませ犬のような形でレンゲに野良試合を挑むあたり、なんかもうオリンが良い子過ぎて大変です。本当にいいキャラだなあと、オリン。それから今回登場のレンゲも媚び媚び天然系アイドルの皮をかぶりつつ、実は苦労人である素顔が覗いたりして単なるゲスト敵役では終わらなそうなキャラクター。最後にはモモのアイドルとして次のステップも見えてきて、キャラクターも舞台もお膳立ては十分すぎるくらいに十分。ここから先の新展開にまた期待が大きくなるような一冊でした。