F1 中国GP 決勝

なかなかの好レース。コース上のバトルも戦略上の戦いも見ごたえがありました。ただ、2ストップで走ってる人たちと3ストップで走ってる人たちの、微妙なラップタイムや、タイム差による、見えないけど緊張感のある戦いっていうのは、タイミングモニタをなまで見ている人間にしか伝わらないんですよね。こんなに面白いのに、もったいないような感じがします。
レースはスタートから逃げたバリチェロのポール・トゥ・ウィン。タイム差ではライコネンやバトンとのマッチレースな気もしますが、戦略上のことを考えると完勝でしょう。
トップ集団はバリチェロライコネン、バトンの3台。3ストップの前2台と2ストップのバトンの争い。ライコネンが2回目にショートストップを仕掛けて、バリチェロもそれに乗ったために、バトンが漁夫の利で優勝かと思わせましたが、フェラーリはそんなに甘くありませんでした。3回目のストップでライコネンはバトンにパスされましたが、バリチェロは燃料を残しておいたためにストップを引っ張れてバトンの前に戻りました。つまりバリチェロはずっと燃料を残したまま走っていたという事。ライコネンと競ってるようで実は余裕だったのでしょうか。
その後ろは2ストップのアロンソとラルフ。アロンソは序盤バトンにパスされたのもも無難に走りきって4位入賞。ラルフは途中クルサードと接触。ピットに戻って来て、出走拒否。このワガママのせいで、次のレースからはまたシートを奪われるとかいう話も…。
その後ろはまた混戦。2ストップのモントーヤ佐藤琢磨、ウェバー、ヴィルヌーヴに3ストップのフィジケラ、マッサ。作戦が違うので見かけ上の順位ははっきりしませんでしたが、タイミングモニタで追えばものすごい熱戦。抜けたのは、後方からのレースだったモントーヤと琢磨。ピットストップでウェバー、ヴィルヌーヴをかわし、3ストップ組にも最後の最後で競り勝って、5位、6位。琢磨は18位からのスタートでこの結果は立派。モントーヤに最後に抜き返されたのは、すこし残念ですが、十分仕事をしたと言ってよいでしょう。3ストップ勢のザウバーが7,8位にしっかり入れてきました。例年のだんだん調子を落とすザウバーと違って、ここに来て好調なザウバー。来期のヴィルヌーヴには期待していいのか? 9位のクルサードはラルフとの接触でポイントを失いました。同じマクラーレンライコネンとの差を考えると、まだ決まってない来期のシートが相当危ないかも。ヴィルヌーヴは光るところなく、ウェバーに完封されてました。さすがの元チャンピオンも1年ぶりのF1は厳しいのか。この先に若干の不安を感じさせられます。
さて、ミハエルですが、序盤からクリエンと接触するわ、単独でスピンするわ、パンクはするわと散々な内容。フェラーリのラップペースが速いのは、最終週の意地のファステストを見ればわかるのですが、それを今回は生かせなかったようです。ミハエルにもこういうことはあるのね。皇帝も人の子です。