ハヤテのごとく! 7巻 / 畑健二郎

ハヤテのごとく! (7) (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく! (7) (少年サンデーコミックス)

あまり深く考えなければすごく面白い。
「話がちゃんとしていること」とか「キャラクターに厚みがあること」という評価軸を持ってくると、ひたすらにグダグダな印象のハヤテですが、そういう視点を交えて読むものじゃないという真理に気が付けば、後は非常に楽しいし可愛いしで満足です。
とにかくオタク的なマンガ。普通の人には決してわからないようなオタネタが大量に投下されているというのももちろんなのですが、キャラクターが類型的だったり、シチュエーションやイベントがどこかで見たようなもののコラージュだったりと、非常にデータベース的な部分もオタクっぽいです。どこかで見たようなキャラクターを大量に作成して、その組み合わせにどこかで見たようなシチュエーションを組み合わせて、どこかで見たようなイベントを発生させるという。ネギま!なんかもやってることは同じなのですが、あれは成長物語という縦軸を通したり、キャラクターに厚みを出そうとストーリーを作ったりしてるのに対して、こちらはひたすらに断片的なイベントが続いてるようなイメージ。これはこのマンガがギャグマンガの描き方で描いてあるからというのが正しいんでしょうが。
しかしまぁ、そんな原作のない二次創作のような、或いはパロディマンガのような作品でも、職人的な上手さとセンスがあればきっちり面白いのです。それかそういうキャラとイベントに条件反射で反応するように私がなってるのか。多分両方だというのが真実でしょう。そんな訳でやっぱり非常に面白いです。この間はマリアさんにスポットが当たる機会が多かったり、ナギと西沢弟にフラグを立ててみたりと色々なことがあって、それぞれ悶え転がるようにツボだったりはするのですが、何よりいちばん萌えるのはハヤテという時代の最先端を行く倒錯っぷりがいちばん素晴らしい点だと思うのです。女装ハヤテとかやばいって。きっと。
あと、オタネタてんこ盛りはまぁいいとしても、そこで姉は一級建築士ネタを持ってくるあたりに作者の業の深さがうかがい知れます。
満足度:A