スパイラル・アライヴ 2巻 / 城平京・水野英多

スパイラル・アライヴ 2 (ガンガンコミックス)

スパイラル・アライヴ 2 (ガンガンコミックス)

黒歴史化したのかと思ったアライヴもついに2巻が発売になりました。
話としては1巻のオルゴール連続殺人を引き継ぎつつ、スパイラル本編の登場人物を多数投入して再構築してあり、なかなか豪華な感じに。特に原作では火澄登場後はほぼ退場していたブレードチルドレンたちの活躍が描かれるのでファンならチェックして損は無いかと思います。
話の中心にあるのはオルゴール連続殺人という雨苗雪音が引き起こした事件と、その背後に繋がるブレードチルドレンを巡る謎なのですが、そこに関わってくるキャラクター達の立ち居地が少しずつ違っていて、それが面白いです。事件の背後で何かを企む雨苗にと同じ次元で勝負をする清隆。事件解決からその裏をうかがおうとする浅月や理央。ブレードチルドレンではありながら裏には疎い高町。そして一般人の立場から事件と雨苗を追う沢村や伊万里。違う階層から事件に関わる人々の動きがそれぞれ関連を持って、事件全体が動き出すと、これはかなり面白いことになっていくような気がします。その分、作者の力量が問われそうですが、そこは期待して待ちたいところです。
そして本編に比べるとキャラクターの個性やコメディ色が強く賑やかだった印象も。伊万里の愛すべきバカっぷりが見ていて楽しいですし、浅月と高町のカップルもどきのラブコメ展開もなかなか。そこをかき回す理央のキャラもなんだか本編より強化されているような感じがします。こうしたキャラ色の強まりは単純にプラスとも言い切れないものではありますが、個人的にはもっとやれという感じでした。
なんにしても、スパイラルがまだこの先も読めるというだけで信者には価値があるのです。
満足度:A−