まりあ✝ほりっく アンソロジー

まりあ†ほりっくアンソロジー (MF文庫J)

まりあ†ほりっくアンソロジー (MF文庫J)

アニメ化もされたまりほりのアンソロジー短編集。
メディアファクトリー繋がりということでMFJの作家が5人参加しているのですが、松野秋鳴の「加虐的除霊のおはなし」がドSとドMの掛け合いという原作の魅力の一つを見事に小説で表現していて素晴らしかったです。
鞠也と茉莉花の堂に入ったSっぷりに言葉と行動に虐げられて大変な目にあいながらも、どこか楽しそうに騒いだり突っ込んだりしている変態かなこさんのMっぷりが噛み合っていて非常に面白いです。やはりドSあってのドMであり、ドMあってのドSだなと思うことしきり。この辺りはさすがに自分の小説がドMの話だけのことはあると思いました。
あとは、日日日の「ISLUM DANK」が、キャラ崩壊一歩手前で色々酷いけど面白いという不思議な感じ。人をゴミか何かだと思ってそうな勢いの茉莉花一人称が、ごくごく当たり前のように強烈な毒を振りまいていてとてもツボな感じ。かなこさんの色々可哀想なぶっ壊れ方もまた愉快でした。それはドアも閉めたくなる、みたいな。
原作の知識を前提にしたアンソロジーなので、まりほりファン以外の人にはちょっとお勧めできない感じではありますが、原作ファンの人はお祭り気分の味わえる一冊だと思います。