2016年も怒涛のように過ぎ去り、ライブに行っては人が沼に墜ちる瞬間を眺め、気付けば自らも足を取られということの繰り返しだったように思います。触れる前から否定しないことを心がけ軽率に新しいものに手を出しては「すごい!」「ヤバい!」と語彙力を失っている毎日ですが、そんな中で一年間ハマっていたものの振り返りと紹介などを。
1.BanG Dream!
事故ですよね。
大橋彩香がドラムだ! ライブ行かなきゃ! なんか最前だ!! あああああ(沼に沈む音) っていう。
基本的にバンドの生演奏が好きなところに、推しの声優が何も遮るものなく目の前でドラムを叩いているっていうのが思った以上に破壊力があった。曲も
Elements Gardenなのでまあ外れないですし。声優とバンド兼務ということで、演奏は当然まだまだこれからの部分はあると思いますが、1stでもちゃんとバンドになっていて、ここからスタートしていくベースとしては十分。やっぱりガールズバンド良いわあってなります。
アニサマ、2ndと回を重ねるごとに上手くなっていますし、2017年にはアニメや
スマホゲームも始まり、2次元と3次元をミックスしたタイプの作品としては本格的に物語がスタートするここから面白くならない訳がないと思っています。
ブシロードらしい? 見切り発車で最初にとにかく大きな花火を打ち上げる展開に幾ばくかの不安も覚えつつ、その無茶振りに必死についていくメンバーたちの姿を応援したいなと。楽しみ!
これまで何かのファンになった時に、思えば私はその人の才能だとか表現を好きになることが多かったように思うのですが、その人自身が好きになるっていうのはこういう感じなのだなと今ひしひしと感じております。
2016年は1stアルバム「起動 ~Start Up!~」の発売と共に公開された多数のインタビューだったり、ますます壁が崩れてきたあどりぶでのトークだったりで、笑顔の向う側にある、きっと何かあるのだろうと思っていたもののがちょっとだけ漏れ出てきた一年だったかなと。「RED SEED」みたいな諦念とそれでもの前向きさが入り交じった歌詞を本心に近いというのは、やっぱりそうだよねえと思う所があり、そんなアルバムを引っさげて、それでも自分の表現したいものは笑顔なんだと示した1stライブがとても良かった。
どうしようもないダメな感じに溢れんばかりに才能を過搭載して、その
ピーキーさを愛嬌で成立させるような、この不思議なバランスが好きです。なんだろう、とにかく幸せになって欲しいな、この子が幸せになれる世界ならきっとそれはとても素敵なものだろうなと。
765ASでもミリオンでもSideMでもない、もちろん他のコンテンツとも違う
シンデレラガールズの何たるかというのを、
SSA初日に個人ごとにバラバラの衣装で20人以上、しかもアニメのメインメンバー無しで並んだ瞬間に思い知りました。これが
シンデレラガールズ、これぞ
シンデレラガールズ、まだ声もついていない子まで含め150を超えるキャラクターひとりひとり、誰もがシンデレラなんだと。そして彼女たちが終わらない物語を謳い上げる5周年記念曲「EVERMORE」で、この5年追いかけてきたものは間違いじゃなかったんだなと。この作品を私はまだ追いかけられる、追いかけていかなくちゃいけないと、そう思わせてくれる素晴らしいライブだったと思います。
あと流石に手間がかかって放置気味だった
デレステですが、新宿のあの広告展開とそこに集まる人の盛り上がりを見たら復帰しますよね。ああ、今すごい波にのってるんだぞ私って。なので
SSRください。限定よしのん……。
4.μ's
一つ前に書いたデレマスが終わらない物語なのだとすれば、終わりある物語のなんたるかを見せてくれたのが2016年の
ラブライブ!、μ'sだったと思います。
映画でもって作中のμ'sが伝説となって、その物語をまるでなぞるかのように紅白出場まで駆け抜けた2015年から、ギリギリでコン
トロールされたような最高速を保ったままで東京ドームでのファイナルへ。これ以上は持たない、これ以上はできない、活動の最後に全てをぶつけて、彼女たち自身もまた伝説になった、そういうライブだったなと。
限られた時間を精一杯に輝くスクールアイドルという存在。必ず訪れる卒業という季節。だから奇跡だとか夢だとか可能性だとか、ともすれば陳腐な言葉を今という場所から叫び続けることができて。そんなこれまでを受けてのラスト2曲、「
MOMENT RING」と「
僕たちはひとつの光」。
終りがあるものだからこそをテーマに置き続け、終わらせてもらえなかったTV2期から劇場版を経たこの作品が、人気の絶頂で一つの終わりを迎える。それも『今が最高!』とキャストと観客が一緒に叫んで。そんな『みんなで叶える物語』。なんて美しく、出来過ぎなくらいだったと、心から思います。
1巻が発売された頃から好きだったけれど、こんなメジャーになれなさそうな作品に日の目は当たらないだろうと思っていた、そういうものが4年の時を経てまさかアニメで見れるなんて世の中捨てたもんじゃないなと。
2016年は滅茶苦茶に完成度の高いアニメが多くてその中で比べるとどうかなという思いはありますが、それでもアニメは出来が良くて毎週見るのが楽しかったし、何も知らない原作未読者が心を曇らせていく様子を見るのも、いとをかしという感じで。
可愛らしい
魔法少女の皮を被った、凄惨なバトルロイヤル。
魔法少女たちは死ぬときは無意味に当たり前に死ぬし、そんな彼女たちの抱えた背景も理由も世知辛く夢のあるものではない。そういうスタンスが貫かれているところがとても好きです。
スノーホワイトの物語としてはここからなので、できればこの先の話も、アニメで見たいなあ……なんて。
プリリズの知識もなく評判を聞いて観に行って、息をつかせずに繰り出されるドラッグめいた映像とまっすぐなストーリー、応援上映のもつ謎の熱量と一体感にすっかりやられて、映画が終わった後に笑いながら「世界が輝いて見える……」となるまさに圧倒的で鮮烈な体験。これは映画ではなく、全く新しい体感型エンターテイメントでした。
こればかりはどんなに言葉を尽くして「
EZ Do Danceの中、大きな剣で切りかかったところを鋼のシックスパックで跳ね返して……」と語っても伝わらないので、続編の公開時に是非皆さん見に行ってください。楽しむコツは恥ずかしがらないことだ!
7.だれ?らじ
ミリオンライブのツアー大阪公演のMCでコントコーナーがあって、その時に一番面白かったのが「大阪
スペクランド」でした。そんなスペースクラフト所属の誰だかわからない新人声優3人組によるラジオ「だれ?らじ」が始まったのが2016年6月。失うものがない3人の、ハイテンションで猛烈な殴り合いを繰り広げるラジオに可能性を感じて聞いているのですが、これがなかなか面白いです。ひたすらうるさい野村と、毒舌ツッコミから弄られキャラに転身したべいせんに、男色と晩酌が好きで実のところ一番ぶっこんでくる角元のコンビネーションの良さ、そして己をさらけ出してネタにしていく捨て身感。完成された面白さではないですが、これからも小奇麗にまとまらずに当たって砕ける精神でこの勢いを維持して、いつか守るものができる時まではラジオを続けていって欲しいなと思っています。
ただ最近ミリオンでこの3人を見かけるたびに、どんなに綺麗にしていてもだれ?らじでの姿が頭をよぎるので、正直この子たち失うものあったんじゃないかな……と思わなくもなく。
Zepp DiverCityでのライブが本当に素晴らしかったんですよ。
単独では初めての大きな会場でやるということへの想い、自分自身のやっている音楽への想い、そういうものが公演を通じて溢れてくるような。ライブというのは自分を表現して、誰かに伝えようとする場なんだなと改めて身にしみるような。なんて表現するかと言えば、本当にエモいライブだったと思います。ツアータイトルでもあった「Unbarance by me」の
歌詞が、本当にもう。
そしてまた、
分島花音のライブは音楽って本当に楽しいなと思わせてくれるのが素敵です。ポップス、ロック、ジャズにクラシックと広いジャンルを行き来しながらチェロを引き歌う彼女とバンドの姿に、ああ楽しいなと思い、終わった後に良いライブだったまた来よう! と思えるライブ。2017年は大きな全国ツアーもあるので、アルバムを聞いてみて興味をを持った方は是非足を運んでみてください。
1stシングルの「吹雪」の印象が強い方は是非「
The Asterisk War」のPVでギターを掻き鳴らしながら歌う彼女のカッコよさを見て欲しいなと思います。そう、あの声とギターとライブでの立ち振舞なんですよ幸奏はっていうのが、存分に示されたのは
アニサマの舞台。それまでもすごく才能と可能性がある子だと思って楽しみにしていたのですが、あのでかいステージであれだけのパフォーマンスを見せてくれるのはその期待以上でした。いやカッコよかった。
イベントでMCをする様子は年相応な感じで、そういうまだまだこれからの未完成さと、そして間違いがない可能性。2017年はきっと1stアルバムや1stフルライブがくるはずで、とっても期待しています。
相変わらず新日を見続けているプロレス。リアルだとかフィクションだとかそういう話ではなく、大事なのはリングの上で何が表現されるのか。そこに物語があり、生き様があり、
レスリングがある。ああ、これは単純だけれど単純なものではないのだなと、2016年はその深さにちょっとだけ触れたような気がする1年でした。そしてこれはある瞬間に何かを表現する、それを誰かに見てもらうという、普段見に行っているライブだとか、色々なものにも通底する話でもあるのかなとも。
そんな中でもワールドの配信で全戦追いかけて、最後は
両国国技館にも観戦に行ったG1。ケニーvs内藤という名勝負あり、そしてケニーの優勝が嬉しかったです。好きな選手なので。1.4でもオカダに勝ってくれないかなあ、その方が世界展開には良いんじゃないかなあとか。
その他
本とマンガは別エントリで上10個以外に印象的だったものとかを。
スポーツは相変わらずF1を見たり野球を見たり。阪神は超変革ということで岩貞、青柳、原口、高山、北条と若虎がどんどん出てきたのが楽しかったです。こんなことはここ10年無かったぞと。
減らすつもりが何故か去年より増えていたライブ/イベントだと夏の内田彩武道館。30曲以上を歌いきることも凄かったですし、2ndまでとは別人かと思うくらいの堂々としたパフォーマンスと1曲毎に入り込んだ表現が凄かったです。内田彩役の内田彩さん完成してた。あとシンフォギアライブの会場の一体感も凄かった。あれが適合者か。それからミリオンツアーはミリオン一座という37名のチームが階段を登っていく過程としても素晴らしかった。全ての集大成としての幕張2日目は見どころしかない本当に最高の公演でした。岸田教団の野音は意識が変わったというか、これまでの岸田教団じゃないぞというのが武道館目指す発言で爆発した感じ。ZAQは体調不良があって、逆に彼女の歌に対する想いが溢れていました。そして年の終わりに見た上坂すみれのエンターテインメントとしてのワンアンドオンリーさよ。間違いなくチーム上坂すみれによるチーム上坂すみれにしか出来ない舞台でした。楽しかった。
音楽は大橋彩香、ZAQ、分島花音の新アルバム、Kalafinaのアコースティックアルバムといったファンをやっているところの人たちの作品が軒並み素晴らしかったので幸せでした。ZAQは提供曲では「ヴィヴァーチェ!」が素晴らしい卒業の歌で泣きそうです。ユーフォ見てないけど。あとアルバムでは「Walkure Attack!」が抜群に出来が良くてさすがマクロス……と。それから今年ヤバいと思ったのはさユり。"酸欠少女"による大人には出来ない音楽。その切実さ。梶浦由記、野田洋次郎と大物からの提供曲が続きますが、本人の書いた曲が特にヤバい。CDJでライブを見てもうこれはダメだと思ったので2017年は単独ライブ行きたいです。声優では麻倉もも。正直こんな良いものが出てくるとは思っていなかったHoney Works恐るべし。あとMV見てもちょの犬になりたいと持った人は私だけではないはず。バンド系だとハイキュー! のOP「ヒカリアレ」を歌ったBURNOUT SYNDROMESはシンプルな力強さがあって好きです。あとは相変わらずキャラソン全盛のアニソンシーンでSB69のシンガンクリムゾンズ、BUD VIRGIN LOGICのアニメ曲は良かった。グラブルの「Never Ending Fantasy」はイベントも相まって好き。
アイマス曲はデレステが今までにない幅の曲を連発していてとても良いのですが特に往年のBeing/GIZAファンを殺しに来たとしか思えない「Love∞Destiny」があかんかったです。ミリオンだと「侠気乱舞」のさりげないオシャレ感に「夜に輝く星座のように」のベタベタな歌謡ポップスぶりが好き。あとライブ込みで「アイル」も。SideMは基本曲が強いのですがS.E.Mの「サ・ヨ・ナ・ラ Summer Holiday」が最初の2曲からの落差込みでヤバいと思いました。
アニメはあれこれ面白いんじゃない? からこれくっだらなくて凄い面白いぞに駆け上がった「この素晴らしい世界に祝福を」。思わずマンガを買いに走ったのは「ディメンションW」と「少年メイド」。「91days」のマフィアもの路線も面白かったですし、「クロムクロ」は安心して見られるお約束満載のロボットもの。「ラブライブ サンシャイン」は3年組の痴情のもつれとか、曜ちゃんそれはあかんだとか、百合方面が大変よろしく。スペース任侠道こと「鉄血のオルフェンズ」はどんどん破滅に迫っていく感じと滲み出るマリー成分が好き。「NEW GAME」も終わってみれば良いお仕事ものになっていたなと。秋は大豊作でスケートシーンの素晴らしさはもちろん結婚したー!? バイクでさらいに来たー!? だとか全面的に大変だった「ユーリ!!!」に、めちゃめちゃ動く作画と意味不明なところから描きたいストーリーがはっきりとしていく「フリップフラッパーズ」、頭のおかしさなら追随を許さなかった「競女!!!!!!!!」に、ど王道どつきあい格闘技友情ものを美少女百合ものと合わせた「Vivid Strike!」、スポーツ観戦の緊張感まで表現しきった「ハイキュー!」と素晴らしかったです。なんだったんだこのクール。
そして映画。新海誠っぽさを残しつつきっちりエンターテインメントしていた「君の名は。」はしみじみいい映画でしたし、「シンゴジラ」は何も期待していなくてごめんなさいって謝りたくなるくらい、ずっとスクリーンに釘付けにされる2時間でした。無人在来線爆弾!!